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労務ニュース
[ニュース] 2019.03.22
継続雇用の高齢者の賃金は契約の途中でも減額できるか
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下「高年齢者雇用安定法」という。)第9条により、65歳までの雇用確保義務が生じ、その対応の1つとして継続雇用制度を導入している企業が多くあります。その場合の賃金のあり方について、同法には特に規定はないため、労使間で決定することになります。
また、継続雇用制度の対象労働者が、有期契約労働者の場合は労働契約法第18条から第20条までの適用を受けることになります。さらに、継続雇用後の賃金の引き下げは、労働条件を不利益に変更することになり、労働者の合意や就業規則の変更になります。合意が得られない場合は、就業規則を一方的に変更することになり、その場合、労働条件の不利益変更(※1)に関する諸法理が適用されてきます。
さらに、正社員と継続雇用労働者について、労働条件の格差(賃金の引下げ)が大きい場合は、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の変更の制限に留意する必要があります。
※1 労働者の不利益変更
定年後継続雇用された場合、一般に、1年ごとの有期雇用契約労働者となる場合が多く、その場合には改正労働契約法第18条の無期転換ルールや、同法第20条の不合理な労働条件の禁止の適用を受けることになります。
無期転換ルールが適用され、無期契約労働者となった場合の労働条件の変更を行う場合にも、労働契約法が適用されることになります。したがって、労働条件を不利益変更する場合は、労働者の合意や就業規則の変更が必要となります。なお、賃金等の重要な労働条件を一方的に変更する場合は、労働条件の不利益変更に関する諸法理が適用されてくることになります。