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労務Q&A

[ニュース] 2018.03.05

退職金と貸付金を相殺することはできるか

Q.会社に借金のある従業員が退職することになり、

労働基準法第24条に基づく労使協定によりその分を

控除して退職金を支給した。

本人にも退職前に合意を取り付けていたが、後で全額支給してほしい

と申出があった。

このような場合でも全額支給しなければならないのか。

 

A.労働基準法第24条の「全額払いの義務」は、賃金の一部を

いかなる名目であれ差し引いて支払うことを禁止したもの。

しかし、法令や別段に定めがある場合や、一定の要件を備えた労使間の

書面による協定がある場合には、賃金の一部を控除して支払うことができる。

その場合、賃金の一部控除は、控除される金額が賃金の一部である限り、

控除額についての限度はない。

しかし使用者が自ら持っている債権と賃金を相殺するような場合には、

民法第510条などにより、退職手当については常にその額の4分の3に

相当する部分について相殺できない。

両当事者の合意(契約)により控除する場合、相殺ではないので

この制限はない。

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