就業規則の作成や給与計算、助成金相談なら広島県福山市のありき社会保険労務士事務所にお任せください。

事務所通信　平成28年3月号です。　今回の写真は、娘のひな人形です。

◇健康保険手当金の計算方法の変更について

平成28年4月から、健康保険の「出産手当金」「傷病手当金」の支給金額の計算方法が変更されます。

　従来の支給金額は、出産による休業や、私傷病による休業の日の

　　健康保険料標準報酬月額等級×1／30（1日分）の2／3（66％）

が1日分の休業に対する支給金額となっていましたが、4月以降は、

　　休んだ日の前1年間の標準報酬月額の平均の1／30の2／3

の額が1日分の休業に対する支給金額となります。この変更によって、休業開始直前の等級ではなく、休業前1年間の等級によって、手当金の金額が決定されることになりましたので、4月以降に受給開始される方、または現在受給中で、4月以降も継続して受給される予定の方は、変更された計算方法での金額で振り込まれますので、注意が必要です。

　出産手当金の受給要件や、傷病手当金の待機期間などに変更はありません。

◇キャリアアップ助成金の拡充について

平成28年2月10日に、キャリアアップ助成金（有期契約→正規契約転換などで受給できる助成金）の支給金額が変更されました。

　従来、有期契約の社員を正規雇用に転換した場合（諸条件有り）、1人にたいして50万円（中小事業主）を支給していましたが、2月10日以降の転換である場合、1人に対して60万円（中小事業主）に増額されました。人手不足が深刻な情勢の中で、新たな採用活動もなかなか成果が出ない状況が続いていますが、既存のパートタイマーや期間雇用者の正規雇用転換を検討することで、人手不足の解消につながるケースもありますので、検討されてみてはと思います。

　また、平成28年度からは、高年齢者雇用安定助成金に「高年齢者無期雇用転換コース」という制度が新設される予定です。

　この場合は、50 歳以上で定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用に転換させた事業主に対して、 その人数に応じ、1人50万円を支給する予定となっています。高齢者で期間雇用者を使用しているケースなどであれば、こちらを活用して、人材不足に対応していかれることもおすすめです。

◇雇用保険料率、健康保険料率の変更について

平成28年度は、雇用保険料率、健康保険料率ともに変更されます。

雇用保険料率は、一般、農林水産等、建設の事業ともにそれぞれ従業員負担分が1/1000づつ少なくなり、一般が4/1000、農林水産等が5/1000、建設が5/1000となる予定です。全体でも、一般11/1000、農林水産等13/1000、建設14/1000とそれぞれ2.5/1000づつ少なくなり、雇用保険料が少なくなる予定です。この料率は平成28年の概算保険料より適用されます。

健康保険料率は広島県は3月（4月控除額から）100.4/1000（広島県）に変更され、少し保険料額が上昇します。また、健康保険料標準報酬月額等級も、3段階増え、今まで1,210,000円までの等級が、1,390,000円まで上限が上がりますので、高額の報酬、給与をもらわれている場合、4月控除分から、料率変更分以外の保険料増額が発生する可能性がありますので、注意が必要です。

健康保険料率は、各都道府県により異なりますので、ご確認が必要です。