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労務ニュース

[ニュース] 2017.05.22

試用期間について

試用期間とは、採用時には社員として適格かどうか全てを見抜けないため、一定期間を設け、その期間中に働き振りを観察する等して、最終的に社員として雇用するかどうかを判断する期間です。

社員として本採用しがたい事由がある場合は、試用期間満了時に本採用をしない旨、本人に通知することにより解雇することになります。
試用期間中の社員の解雇は、本採用後の解雇よりも広い範囲の解雇の自由が認められています。
とはいえ、一旦採用しているわけですから、何でも簡単に解雇できるわけではなく、職業上の当たり前に持っているはずの常識に欠き、そのため会社に損害を与えたとか、勤務態度があまりにも悪く会社に非協力的であったりする場合などが、正当な事由とされています。

試用開始14日以内に解雇する場合は、即時解雇してもいいことになっています。
試用開始後14日を超えれば、30日前の解雇予告や予告手当の支払いが必要になってきます。

(ただし、所轄労働基準監督署長の認定を受けた場合は不要です。)

 

 

◎試用期間の長さ

試用期間の長さについては特に規制がないため、基本的に使用者と社員の合意により自由に設定できます。

実際は就業規則に定められ、一番多いのは3ヶ月、これに続いて2か月、6か月など期間が設定されることが多いようです。

とはいえ、試用期間中の社員は、本採用後の社員よりも広い範囲で解雇が認められており、不安定な地位にあるため、合理的な理由もなくあまりにも長期間の試用期間を定めることは、試用期間中の社員に大きな不利益を与えることになるとして無効となる場合があります。


◎試用期間の延長

試用期間を延長することは可能ですが、無制限に延長することは、試用期間という不安定な地位を長期化させることになるため許されません。

延長が許される場合とは

1)「試用期間を延長することがある」という規定が就業規則等に定められている

2)本人が延長することにつき承諾をしている

3)延長の必要性に合理的な理由がある場合に限り許される

この場合でも、「必ず期限を限る」ことが絶対的条件となります。


◎即戦力として採用する中途採用者についての試用期間

試用期間を設けても問題ありません。

即戦力を期待して厚待遇で採用する中途採用者であっても、必ずその期待に沿うパフォーマンスをしてくれるとは限りませんので、ミスマッチを防ぐためには中途採用者といえども、試用期間を設けておくことは有効と言えます。


◎試用期間中の賃金

試用期間中の賃金を本採用後の賃金より低く設定することは可能です。

賃金額の規制については、最低賃金法により最低賃金額に関する制限があるのみのため、最低賃金額を上回っている限り、使用者と労働者の合意により、自由に賃金額を決定することが出来ます。

 

 

◎試用期間中の社会保険及び労働保険の取り扱いについて

試用期間であっても、社会保険及び労働保険のいずれも適用除外とはなりません。

これは、試用期間を定めた労働契約が実体としては、“期間の定めのない労働契約の初期の期間”に当たるとして

正社員となんら変わりなく扱うためです。

よって、試用期間中であっても入社と同時に被保険者資格の取得手続きを行うことが必要となります。

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