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労務Q&A
[ニュース] 2018.03.06
会社の資格取得制度で資格を取得した従業員がその直後に退職を申し出た場合、会社は退職金の一部として資格取得費用と相殺できる?
Q.会社の資格取得制度を利用し、資格を取得した従業員が
その資格を生かして転職すると、資格取得直後退職を申し出た。
資格を取り逃げされた会社は、資格取得にかかった費用をこの従業員の
退職金の一部と相殺したいが、可能か?
また、就業規則にこのような資格取得直後の退職を禁止した規定を設けた場合
有効か。
A.就業規則や退職金規定に基づく退職金であれば労働基準法上の賃金に該当し、
労働基準法第24条の適用を受け、会社の就業規則や退職金規定の中で何ら控除する
規定がない以上、控除して支払えば労働基準法第24条の賃金全額支払いの原則に
違反することとなる。
資格取得直後の退職を禁止することを仮に規定したとしても、労働者が退職を希望すれば
一定期間経過すれば退職することになり、他に転職する機会を奪うということで職業選択の自由を
奪うことにもなりかねる。
そのような規定は法律的にも問題があり、実質的にも有効なものとはならない。